40代女性のTさんはお身体全体の歪みが気になって来院されました 。左膝に痛みがあることに着目し、今日は下肢を中心に調整しました。まず、左・大腿四頭筋に脛骨の配列の問題から弱化が起こっていました。そこで、左膝を調整しました。また、外側広筋にマニピュレーション(筋緩和操作)を加えてスタビリティ ー(安定性)の問題を修正しました。
右下肢に問題がないかというとそうではなくて、例えば大腿直筋 やハムストリングの不安定性が 見つかりました。これらは「二関節筋」と呼ばれ、股関節および膝関節の二関節にまたがる症状を引き起こします。つまり、左右のコンペンセーション(補正作用)によって、歩く姿勢が乱れ、 それがたまたま左膝に響いていたという印象です。
こういったケースでは、 痛みがある部位だけを診ても「木を見て森を見ず」の対症療法にとどまってしまうもの。なかなか根本解決にはなりません。問題の一次的要因を素早く見定めて、最短距離で侵襲性が低い調整をすることが望まれます 。
当院の場合は、アスリートのコンディショニングを担当していた経験が生かされており、頭の中でシミュレーションが十分に行われているので、 根本原因を見逃さずに的確に対処することができました。
施術後に試し歩きをしてもらいましたが、この時点では違和感を感じておられたようです。固有受容器の自己修正によって、この違和感は1時間もすれば消えてくるものです。今まで働いていなかった権力は機能し始めるので、軽い筋肉痛を覚えることがありますが、決して悪いことではありません。
一週間もすれば正しい固有感覚が足裏、膝関節~股関節など下肢を通して脳にインプットされて、正しい本来の身のこなしが体に記憶されます。Tさんの場合、施術直後に痛みを感じなくなりましたが、たとえ痛みは残っていたとしても次回来院時までに痛みは自然に治まることが多いです。
藤原 邦康
米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック
一般社団法人 日本整顎協会 理事
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